Benthamインタビュー No.3
CC:小関くんの作った『Heartbreaker』好きです。
小関「はい。好きそうですね」
CC:え? なんでなんで?
小関「話した感じ。テンション感とか含めて。何が好きか聞こうと思ってたんですけど、やっぱり」
CC:『エスケープ』もいいなあと思ってたんですが、ひょっとしてこの2曲って音楽的な共通項みたいなのあるんですか?
小関「どうなんですかね。13曲の中で、サウンドも含めてバチンってくる感じがあるのかな……そうですね」
辻「オケがシンプルめかもしれないです。ベースもルートが多かったりとか、ギターもフレーズよりカッティング中心というか。『Heartbeaker』は、須田以外の3人は一斉に録ったんですよ。多重録音をせずに3人いっぺんに録ったので、勢いあってシンプルでって曲ですね」
CC:そういう録り方っていつ決まるんですか?
小関「ノリです」
CC:ノリ?
小関「ベースとドラムを先に録ってて、これ小関も今やっちゃえよみたいな。一回試し撮りすして、それでもうこれいっちゃおうってことになって、このテイク使うからねって」
辻「だからやり直しとかさせてもらえなかったんです。ここだけもう一回やらしてくださいって言ったらダメダメって」
小関「俺も若干間違えてるとこ絶対あるんです(笑)。それがいいからって言って」
辻「バンド感があるからって」
鈴木「今までのベンサムに近いかな」
小関「パンクロックっぽい感じが好きなんですけど、別に詳しくてよく聴いてるってわけでもなく、そういうのをベンサムがやってもしょうがないよなとありながら、ちょっと滲み出るくらいの曲を僕が出しがちなんです。そういう曲のままって感じですかね」
CC:ベンサムって完全にライブバンドじゃないですか? ライブバンドがこういうCDにパッケージ化する時に意識すること何かありますか? ライブを意識して納めたっていう人もいれば、作品として納めてライブでやったらどうなるか楽しみですっていう人もいるし。
須田「僕らはもともとライブでやれることを作品にするっていうのをずっとやってきました。今回もその延長ではあります。作品として入れるということもやったりはするんですけど、例えばライブではできない楽器を入れたりすることもあるんですが、コーラスとかも。そいう意識で取り組んでいました」
小関「僕は作品は作品でめっちゃ買いたいタイプなんですけど。でもはじめにプロデューサーの方から、ライブでできないことはやんない方がいいからって言われて、なんでかなと疑問を思いながらインディーズの頃にやっていて、こういうことかと納得することが起きていって、今作はそれをちょっと崩しているという印象もありますね。CDとして。10曲めの『survive』とかも、CDを再生した瞬間に、ミックスしてある感じもあったりとか。それを今までベンサム知っている人たちからするとダサく思われるのか、笑ってくれるのか、初めて聴いてくれる人向けのトライもあったりとか。わりとチャレンジ気味の一枚ですかね」
CC:『survive』カッコいいですよね。
鈴木「世の中的にはもっといろんな楽器入れたりする人もいるだろうし、そう考えると再現できる範囲で、レコーディングしながらやった感じですかね」
<L→R>鈴木敬(Dr.)、小関竜矢(Vo.&Gt.)、辻怜次(Ba.)、須田原生(Gt.&Cho.)
CC:どうなりますかね、セットリスト。これから。
小関「それがまだ僕らもわかってないので、これからですね。お客さんとの距離感を含めて、僕らがこれからどうしていくかを決めていかなきゃいけないタイミングかなと思ってます。お客さんに寄り添ってきたことから学んだこともあるし。これからメンバーで話し合いながら。基本的な方向性は変わらないとは思うんですけど」
鈴木「今やってるのが30分のステージとかが多くて、フェスとか。そうするとアルバムの曲はやりきれないし、フェスとかだとどうしてもMVになってる曲が多めになる。それはそれでいいんですけど、せっかくアルバム作ったんで、なるべくこれを聞いてもらえるようにこっちから提示していけたらなと」
小関「フェスは、来た人に知ってもらうとかという目的が多いと思うんですよ、まだ今。同じ曲やって。でも最近は、みんな僕らを何回も観にきてくれてるのに……という気持ちが強くなってきていて、その一本一本のライブでやるべきことをやったらいいんじゃないかなって。曲に限りはありますけど。それをやるほどの説得力、スキルが今までなかったので、今年の夏から秋にかけて、もちろん『パブリック』とかはやっていくんだろうけど、ちゃんと意味のある選曲をしてというのはやりたいですね。今まで年間100回同じ曲でぶち上げてっていうのはやってきているので、じゃ次どうしますかっていうタイミングだと思うので。スローな曲も……ないですけど(笑)」
CC:最後になりますけど、バンド名の由来はなんですか?
小関「Bから始めたいっていうのがあって、好きなバンドがブラフマンだったりブルーハーツだったりしたので。CDショップでそのBの棚に並びたかったというのが理由なんですけど。それと。ジェレミーベンサムっていう哲学者がいて、その人の言葉とかを多少理解した上で簡単につけちゃいました。よく聞かれるんですけど、特に意味はないっていう」
須田「哲学が好きなわけもなく(笑)」
CC:浅さがバレるっていう(笑)
小関「浅さも何もない(笑)。ベンサムって響きがいいですし」
『Re:Wonder』CD+DVD盤3000円+税、CD盤2500円+税、Bentham屋盤CD+グッズ(タオル)3500円+税
0コメント