Benthamインタビュー No.2

<L→R>鈴木敬(Dr.)、小関竜矢(Vo.&Gt.)、辻怜次(Ba.)、須田原生(Gt.&Cho.) 


CC:ではこのアルバムの話ですが。僕は『パブリック』とか『僕から君へ』あたりがザ・ベンサムなのかなと思ってたんですが、それよりはヒリヒリした感じに聴こえたんです。全体はどういう制作意図だったんですか? 

小関「メジャーシングルからの延長できて、テーマを決めずフルアルバムを出そうねっていうところからスタートしてます。僕らは4人とも曲を作るので、それぞれが考えるフルアルバムに必要な曲というのを出して、それでこれはこうだよねとか。そういうやりとりの選曲があって13曲にまとまって、そこからプロデューサーとふさわしいアレンジをしていった感じです。

 最初はアルバムだからっていうことで面白いアレンジだったりとか、やりすぎなアレンジばっかりだったんですが、その中でリード曲として『Chicago』を念頭に置いて、そこからこういうアルバムにしようと各々考えながらアレンジをまとめていった感じです。各パートがメジャーを意識することもあっただろうし、けっこう試行錯誤はしましたね」 

CC:テーマを決めて、そこに向かっていこうという作りではない、と。 

小関「ではなかったですね」 

CC:このタイトルはいつごろ、なぜつけたのですか? 

小関「最後です。驚きを返すよ、みんなからもらった驚きを。驚くほどいい一枚になっていることもそうだし、びっくりさせるよっていう意味で」 

CC:各曲のタイトルもそういうつけかたなんですか? 

小関「はい。僕はタイトルをつけるのは最後なんです。歌詞から取るときもあるし。『Chicago』は、ミュージカルの『CHICAGO』っぽくしたいなと。僕見たことなくて(笑)。見たことないけどイメージはあって、何々っぽいねっていうのを大事にしてて。ミュージカルの上映しました~で曲が始まって踊り始めました~というイメージで進めて言った感じです。で、ミュージシャンの頭の中の妄想を描いているというテーマはつけていたので、もう一人の僕だったりとか、作曲するにあたっての僕を見て、とか。メジャーに対するこれからのし上がっていくと思っている緊張感だったりとかを書いています。後戻りできない覚悟とか」 

CC:次は『透明シミュレーション』。 

小関「昔は「あの頃は良かったね」っていう思考が一番マイナスだと思ってて、今が一番いいでしょと生きていきたいんですが、最近ちょっとあの頃は良かったと思ってて。バンドを組み立ての頃、ギター鳴らしてるだけで楽しかったなあとか、お客さんの動員とか気にせず酒ばっかり飲んでたなあとか。「今キミは何が楽しいの?」というのを自分で確認してる。今、逃げ場はないということをリンクするだろうなと思ったので、聴いてる人もグサッとくるような歌詞にしたつもりです」 

CC:『White』は鈴木さんが作詞、全員で作曲していますが、みんなが曲を作れるとなると、それぞれ特徴はあるんですか?  

鈴木「これはアニメのタイアップという条件が先にあって、そのために作りました(アニメ『潔癖男子!青山くん」主題歌)最初僕が作ったものにみんなの力を借りて、というので作曲は全員ということになっています。これはアニメに担当の人ともやりとりをしながら。こうして欲しいとか」 

小関「敬は敬が作ったんだろうなって一番わかる曲を作りますね。多いです」 

CC:ドラムの人ならではっていうのはあるんですかね? 

鈴木「単純に引き出しが少ないから(笑)」 

「ありがち(笑)」 

小関「歌えるドラマーって独特だと思うんですよ。ドラマーって歌える人も多いし。たぶんリズムとかから導かれる歌いやすいメロディとかがあって、歌えるメロディなのかリズム押しのメロディなのかがあるのかなと思うんですが、その中でも彼のメロディセンスが炸裂してるという」 

鈴木「前は叩きながら歌ってメロディとか作ってたことがあったんですよ」 

小関「それが想像できない」 

鈴木「できてる曲をアレンジする時って、普通ドラムのリズムパターンから決めていくことが多いんです。それを自分の中でやるっていう作業なんですよ。コード進行とか和音とかは得意じゃないんで、まず自分のできるメロディを作ってリズムを作ってって」 

CC:曲はよく作っているんですか? 

鈴木「インディーズ時代の3枚目からみんなで作ろうってなって、ちゃんと向き合い出したのはその頃からですね」 

CC:他のメンバーから見ると斬新って感じですか? 

須田「そうですね、誰が作ったかすぐわかる。それを次も期待するというか、刺激になるというか」

 小関「プロデューサーも敬くんの曲が一番好きっていてました(笑)」 

「デモ出しから一番楽しみにしてるっていうのが恒例行事になってます(笑)」 

小関「多分自分の役目がわかってて、それがいい感じで出てるんですよね。それがリードとかメインを書き始めた時に何が出てくるか、逆に期待しちゃいます。ベンサムの曲っぽく書いた時にどんなのが出てくるか」 

CC:ベンサムの曲っぽく出してるんじゃないんですか? 

鈴木じゃないのを出しがちです(笑)」 

CC:須田くんの作る曲の特徴は?

須田「僕も前から書いてはいたんですが、あんまり量産はできないタイプで、数をこなしていく上でだんだん自分が出す曲がわかってきた感じはあるんですけど。こういうフルアルバムとか曲数が多い時にはわかりやすいかな。一応いろんなジャンルのタイプの曲は書こうと意識しているんですけど……けっこうポップな曲なのかな……自分で分析するのは難しいですね」 

小関「イメージ的には僕と辻が同じ感覚で、須田・鈴木は別。我々がバンドっぽい曲で、須田が色々やる、敬が歌中心というイメージです」 

CC:『Sunny』という曲の歌詞の書き方なんて、あんまりない感じです。 

須田「ないですか?(笑)。歌詞はまだ3曲目くらいなんです、基本は小関で。小関自身も書けないものを書いた方がっていうのもあるし、僕が無理やり、小関っぽいのを書いてもしょうがないなっていう気持ちもあるので、書きたいようには書いていたりはするんですが」 

CC:怒られちゃうかもしれないですが、何言っているかわかんないけど映像が出てくる。 

須田「この曲は、すごいくだらないテーマかもしれないんですが、二度寝をしちゃう人の曲なんです」 

小関「え?」 

「そうなの?」 

小関「初めて聞いた。それ最初に言った方がいいやつですね(笑)」 

須田「入り口はそこなんですけど(笑)。寝ちゃいけないのに寝て、夢の途中とかで覚めちゃって、その夢をもう一回見たいのか、それとも起きたくなくてなのか、葛藤しているやつです」 

「それ、ただ眠いやつじゃね?(笑)」 

須田「いや、入り口は!(笑)」 

CC:辻くんの曲作りはどうですか? 

「他のメンバーに比べると、僕が一番作曲歴は浅いんですよ。みんなで作ろうってなった時からスタートしたんです。あんまり曲とか作らずに、ベースを極めたい、それをバンドに捧げたいという感じでやっていたので、作曲はメンバーに助けられながら、これまで何曲か作っている感じです。シンプルなのが多いかもしれないですね、バンドっぽいというか。そういう風に感じてもらえるのなら」

 CC:小関くんはベンサム用に作るわけですか? 

小関「そうですね、はい」 

『Re:Wonder』CD+DVD盤3000円+税、CD盤2500円+税、Bentham屋盤CD+グッズ(タオル)3500円+税

choki choki web magazine

「CHOKi CHOKi web magazine」 ストリートファッション&ヘアの情報を毎日配信するWEBマガジン。 東京のストリートファッション&ヘアスタイルシーンの「今」を切り取り、今の東京におけるリアルな「カッコイイ」をお届けいたします。

0コメント

  • 1000 / 1000