LEGO BIG MORLインタビュー No.3
フェスでつかみに行かない、ライブを意識しないというアプローチ
CC:今いった中で、まさしく聞こうと思ってたのが、フェスやライブでお客さんをつかむような音楽作りってあるじゃないですか。きっと理論や技術としてはわかってるわけでしょ、それ。でもこのアルバムではやらなかったよね。
カナタ:ライブでこういうふうなとか、そんな考えは一切なかったですね。
ヒロキ:ここで手をあげてほしいとか、まったく考えてない。
カナタ:考えられないっすわ。
ヒロキ:でも俺、けっこうこれ全員いい意味で棒立ちで音を浴びててくれたらいいなと思いながら。圧倒したいなって。
G.タナカヒロキ
CC:今作は11曲ですが、アルバムのテーマ・全体像は最初にあったとして、それは何曲で構成されるものっていうところまであったんですか?
シンタロウ:いまのフェスの話でもないですけど、アルバムやから11曲ぐらいが聴きやすいよねとか、そういう枠組みで考えたくなかったんですよ。10周年やから入れたいものを入れたいというパッケージにしたかったっていうのがありました。だから曲作りに関しても、これはフェスで生きるよねとかそういうことよりも、10年やってきた中での感謝の気持ちだとか、自分たちのこのバンドと、30歳そこそこの個人としての僕らが、音楽とどう向き合ってくかみたいなこととか、アーティストとしてのリアルな部分の自分たち、こういう4人が集まって音を鳴らしてっていう意思みたいなものを反映させたかったんです。あんまりこの歌はこう機能するんだろうなとかっていう、テクニック的な部分はそんなに意識しないで作ってましたね。歌と言葉を聞かせて目的だけをメインでっていう感じでした。
実は曲数ももうちょっと多めにあったんです。この曲も入れたかったなっていうのもあったんですけど、何曲でっていうよりかは、入れたい曲をちゃんとパッケージしてあげたいっていう感じでしたね。その結果で、この11曲になってよかったなって思います。
CC:この作品をもっての、ライブどんなことします?
シンタロウ:ライブ、逆にあんまりそこに対してなんか不安はないんですけど。
ヒロキ:僕、正直、普段レコーディングし終わったら、全然もう聴かないんですけど、これは聴けるんですよ。今でも家でも聴いて、めっちゃええ歌やなって、ベタに。めっちゃアホみたいな感想ですけど。で、それをライブでやるんやったら、生やねんから、CDよりいいに決まってるやん、ぐらいの感じです。
CC:このアルバムの曲順どおりやるのかなって思ったりもして。
ヒロキ:そのぐらいストーリーみたいに、起承転結に感じてくれてるってことですよね。
CC:そう、まさに。
ヒロキ:嬉しいです。
CC:え、そうなの?いいのかしらそんなので。
ヒロキ:いや、嬉しいですけど。曲順も結構色々ほんまに、曲順の方がいっぱい悩んだよね。
CC:ですよね、それがなんか想像できる。
シンタロウ:曲順が一番悩んだかもしれないすね。
ヒロキ:それで、起承転結って言ってもらって、ストーリーって言ってもらったら、もうなんか、よかったなって思いました。
Ba.ヤマモトシンタロウ
CC:曲順は、何を基準に決めたんですか?
ヒロキ:んー、頭とお尻が、まあいつもライブのセトリもそうなんですけど、頭とケツをまず決めてとかいうのが僕らのいつものやり方があって、そのケツがまったく決まらなくて、はじめは。二択か三択くらいあって、まあでも全員が言ってることはわかるから、どれも、全部が正義というか。
CC:6、7、8、9曲めの流れがすごい好きです。
ヒロキ:あー、はいはい、僕も好きです。
シンタロウ:10で終わるかどうかっていうのは結構大きな問題やったんですよね。『居場所』で終わるか、どうかっていうのは。最後に『未来』という曲を入れるべきかどうか。
ヒロキ:そんな意図はまったくないけど『未来』があることによって、それまでの余韻はなんやってんって思われたら嫌やなっていう懸念がずっとあって。そんなつもりで『未来』をケツにしてるわけじゃないのに。ずっと「どうなんやろな」っていう話をしてましたね。
CC:『未来』はあってよかったと思ったけど。
ヒロキ:ああ、よかった。
カナタ:ここで入れないと、この子たぶん、一生もう表舞台立てない。
ヒロキ:この曲自体がすごい色が強いんで、逆にお尻という大役を担わしてあげれるぐらいじゃないと、なんか中途半端なところが一番変やったんですよね。置き場所としては。
CC:なるほどー。『居場所』っていう曲が割とキーになってるような気がするんですけどね、個人的には。
ヒロキ:ライターさん受けがいいです。なんか、面白い。みんな別々で面白いですね。レーベルの人にも決まってる曲があったりするけど。レーベル受けがある曲と、媒体受けがいい曲と、ばらばらで面白いです。
CC:この曲からとったんですか?『心臓の居場所』って。歌詞にもありますけど。
ヒロキ:『居場所』が最後にできた曲なんです。で、その時期ぐらいにデモがちょっとあったぐらいのときに、歌詞を書く上で『心臓の居場所』っていうアルバムタイトルができたんで、この曲がすごい大きい歌になるなって思ってたんで、やっぱそれこそ『居場所』っていうワードを担わせようと思ったんです。
『心臓の居場所』
初回盤<CD+フォトブック+ラバーバンド>3600円、通常盤<CD>3000円
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